大慈大悲のこころ・地蔵院の諸仏諸尊

仁王像とその他の諸仏諸尊
仁王門は現存し、高さ三メートルに及ぶ仁王木像は昭和45年2月、町重要文化財に指定されました。

六地蔵の石塔には「奉造立六地蔵所、永正十四天(1517年)丁丑八月廿七日一再中興蕣慶」と刻まれた姿のまま長い歴史を物語っています。

また、不動院の不動尊、栄西禅師仏の脊振山水上坊の不動明王、天正七年(1579年)8月、護国寺が購入した阿弥陀如来、竜造寺美作守信貞作の阿弥陀如来山王七社の内僧形の二つの宮権現、 聖真子権現、十禅師権現等、五大権現や慈覚大師真蹟梵字観の彫刻など、神仏分離の為、仁比山護国寺一山の遺物は、全部地蔵院にひき継がれ仏教重要文化財として安置されています。

本尊・十一面千手千眼観世音菩薩(行基作)
地蔵院の本尊・十一面千手千眼観世音菩薩は、天平元年(729年)、行基菩薩が草創した仁比山護国寺三十六坊の本尊としてお祀りされていた仏さま。

高僧・行基作のこの御本尊は、金泥黒漆塗りで高さ175センチの等身大立像。

頭の冠には十の仏さまのお顔があり、中央に二つの手、左右に各二十の手を持っておられます。

十一のお顔と四十二の手を持っておられるお観音様は、一つの手から二十五人の衆生を救うとされており、それぞれの手には、すべてのものを見通す「目」を有しているといわれています。

真言(しんごん):
オン バサラ ダルマ キリ ソワカ
水子地蔵尊(子育て地蔵菩薩)
水子地蔵尊のお顔は慈悲にあふれています。
大勢の水子地蔵さんを優しく見守っている仏さま。子供を思う母の姿。

三途の川のほとりにある賽の河原で責め苦を受ける、幼くして死んだ子供を助ける仏さまです。

毎年4月吉日には、水子地蔵尊への御礼として、水子地蔵祭をおこなっています。

真言(しんごん):
オンカカ カビサマ エイ ソワカ
地蔵菩薩(六地蔵)
地蔵菩薩の像を6体並べて祀った六地蔵像。

仏教の六道輪廻の思想では、全ての生命は地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道の6種の世界に生まれ変わりを繰り返すと言われています。

苦悩する人々の身代わりになって救済する、成仏への道を開いていく仏さまです。

真言(しんごん):
オンカカ カビサマ エイ ソワカ
六地蔵尊(縁結び、安産の仏さま)
地蔵院境内に立つ石塔。

六地蔵信仰は、六道における死後の救済を求めて、中世以降に流行しました。

永正十四年(室町時代)に吉祥院の別名、寶淋坊(ほうりんぼう)とも呼ばれていたお寺の修業僧が自分の死後の冥福のために供養塔を立てました。

石塔には「奉造立六地蔵所、永正十四天(1517年)丁丑八月廿七日一再中興蕣慶」と刻まれた姿のまま長い歴史を物語っています。

制作年代がわかる六地蔵塔としては、市内では古いものであり、県内の中世の六地蔵塔の中でも良好な保存状況で、神埼市の六地蔵塔を代表する貴重な石造物です。

傘の下には六地蔵尊がお祀りされ、参拝者の願いを聞き届けておられます。

縁結び、安産の願いを聞き入れてくれる仏さまです。

真言(しんごん):
オンカカ カビサマ エイ ソワカ
薬師如来(病気平癒、身体健康の仏さま)
山門をくぐると左手に薬師如来像が安置されています。
薬壺を持ち、病気を治す仏様として有名です。

蓮華座下には、文久2年(1862年)備前児嶋郡宮ノ浦
石工 重五カ
●● 重吉カ
と記されています。

備前石工が創った仏さまは九州では地蔵院だけだそうです。

病気平癒、身体健康をお祈りする参拝者の姿は絶えません。

真言(しんごん):
オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ
水掛け福徳地蔵尊(福徳円満、商売繁昌、首から上の諸願成就・病気平癒の仏さま)
(作図)宇佐八幡権宮司 河野鉄憲 (彫刻師)広田 善三郎

大きな岩石に浮き彫りにされた膨よかなお顔立ちのお地蔵様は、およそ四百年前(江戸時代初期)、今の博多区に信仰の厚い一人の女性の夢枕にお地蔵様がお立ちになり、『庭の土の中より地蔵菩薩の頭を掘り出すように』とのお告げにて土の中より掘り出し、お祀りされた後、霊感を授かりその力で人々を助けました。

そして二度目の夢枕にて『頭だけでは力不足、宇佐八幡宮に行き相談せよ』との御指示を受け、図面を依頼し、石材等も御指示通りにして完成されました。

後に八尋家の庭で祀られ、信者の方々が代々受け継ぎお祀りをされていましたが、近年、高層ビルの建ち並ぶ所からお地蔵様を見下げる環境となり、昭和六十三年十二月吉日、地蔵院へ御座所を移されることとなりました。

四百年前に夢枕にでてきたお地蔵様は、福と徳との象徴であり、商売繁盛など無尽蔵の宇宙の恵みを参拝者にもたらしてくれます。

また、首から上の諸願成就も良いとのこと。願いを聞き入れる時はお顔は怒っていますが、願いが叶う時、やさしいお顔をされています。

真言(しんごん):
オンカカ カビサマ エイ ソワカ
釣り鐘・鐘つき堂
平成21年4月、60数年ぶりに釣り鐘、鐘つき堂再建いたしました。

開創千三百余年の歴史を伝える日本最古の観音霊場と共に創建された釣り鐘、鐘つき堂でしたが、戦時中の鉄製品の回収令で釣り鐘が接収され、鐘つき堂だけが残りました。 しかし、鐘つき堂も害虫や災害で老朽化が進み、後一年もつかどうかということでした。

檀信者の皆さま、参拝者さまの温かいご寄付により、みごと再建いたしました。 心より感謝いたします。

戦争のために鐘を失い、今も世界各地で争いが絶えないですが、この鐘は『平和の鐘』として皆様の心に響く鐘の音となるでしょう。
恵比寿天(商売繁盛、除災招福、五穀豊穣、大魚守護の神様)
平成28年11月に皆様のご健康と安全、商売繁盛を願い、恵比寿天を建立いたしました。

七福神中で唯一の日本の神様。

イザナギ、イザナミの二神の第三子といわれ、満三歳になっても歩かなかったため、船に乗せられ捨てられてしまい、やがて漂着した攝津国(兵庫県の西宮) の地に鎮座して漁業や商業、農業の神となりました。

左手に鯛をかかえ右手に釣竿を持った親しみ深いお姿は「暴利をむさぼらない、清い心を象徴 している」といわれており、智恵を働かせ体に汗を流して働けばこの神が福財を授けるという、 特に商人に福利をもたらす神として深い信仰があります。

真言(しんごん):
オン インダラヤ ソワカ


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